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文献詳細

雑誌文献

公衆衛生23巻3号

1959年03月発行

文献概要

文献

集団災害の精神医学的考察,他

著者: 芦沢

所属機関:

ページ範囲:P.179 - P.179

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 精神医学は惨事が起る前に適当な計画と教育をすることにより,集団的恐怖を予防することができる。医療関係の専門職の人々はこの点大きな役割を荷つている。惨事が起つてからは状況をなるべく早く報道し,士気を鼓舞することが大切であり,リーダーシツプの確立が最も重要な事になる。リーダーは地域社会の中から出た方が概して人心は安定し,協力的になる。又,災害時には現場に移動精神科ともいうべきものがあつた方がずつとよい。精神症状を呈した人々を一カ所に集めたり,家に帰してしまつてからでは治療のチヤンスを逃してしまうことは第二次大戦当初の苦い経過からも明らかである。
 精神病の既往歴のある者や,情動不安定の者をより分けておき,災害が予知される場合は,前以つて避難させることはパーソナリティーの障害を予防するよい手段である。鎮静剤や精神安定剤の投与も悪くないが,個人個人の症状に応じて処方されるべきであつて,無差別に与えるのはよくない。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1170

印刷版ISSN:0368-5187

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