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原著
眼底所見を主とする高血圧集団検診方式の研究—第2報.集団検診における各種検査法の検討(その1)
著者: 新井宏朋1
所属機関: 1千葉大学医学部公衆衛生学教室
ページ範囲:P.335 - P.341
文献購入ページに移動近年脳卒中死が国民死因分類の1位をしめるとともに脳卒中(以下卒中と略す)による死亡率を低下させる事が現代の医学の重要な課題となつてきた。併し乍ら卒中が,それを予知しうる特有な自覚症状が少ないことと,社会で一見健康に生活している人々に突発する事から卒中を発病の前段階で早期に発見しようとする集団検診がその対策として試みられ,所謂健康管理の実施をみるに至つた。
しかし,卒中の成因は,いまなお不明の点が多いため,一般社会より集団検診の実施に対する強い要望があるにもかかわらず集団検診の意義,及びその方式に対する詳細な検討はなされていない。私は第1報1)において卒中の前段階たる高血圧と血管硬化を発見する有力な診断法として,眼底検査を一般社会集団で計7集団1,824名に実施し,一般社会で活躍している成人中にも眼底に高血圧,血管硬化の所見をもつ者が多く,特に高度な所見とされている出血,白斑,高度交叉現象のみられる者もまれでない事を述べた。本報では卒中予防の集団検診方式研究の一環として,現在汎く集団検診で実施されている血圧測定,尿蛋白検査により,これらの眼底有所見者をどの程度に発見しうるかについて検討する。
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