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文献詳細

雑誌文献

公衆衛生23巻7号

1959年07月発行

文献概要

特集 乳肉衛生

乳,肉,魚介食品による食中毒

著者: 嶋田幸治1

所属機関: 1東京都立衛生研究所

ページ範囲:P.422 - P.428

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I.まえがき
 近年わが国の食品衛生に関する一般の認識は向上し,衛生行政の機構も一段と整備されているにもかかわらず食中毒は依然各地に発生し,時には多数の患者や死亡者を出している現況である。これら食中毒の原因食品は多種多様であるが,中でも動物性食品が最も多く容疑者に挙げられていることは周知の通りである。すなわち,これらの供給源たる動物には自然に毒物を保有するものあり,またあるものは生前からサルモネラ属,ブドウ球菌その他いわゆる人の中毒原因菌などとに関係の深いものあり,これらは不完全な処理の下では容易に食品に移行することが考えられる。その上食品製造の過程においてもこれに関与する人,器具,機械または環境などにより有害細菌に汚染しやすく,さらに,これらの食品がいずれも細菌類の好適培地としての条件に恵まれていることなどを思い合わせるとむしろ当然といえる。筆者は日常,食品衛生法に基き,市販動物性食品の衛生検査に従事しているのでその成績も加え,主に厚生省の統計から乳,肉,魚介並びにそれらの加工品を介して全国的に発生した食中毒の状況や,これに関連した事項を中心に述べて見たい。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1170

印刷版ISSN:0368-5187

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