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産院におけるタイプ80のブドウ球菌に因る流行/官庁勤務者における疾病による労働不能の頻度
著者: 西川
所属機関:
ページ範囲:P.470 - P.470
文献購入ページに移動元来,産院においてブドウ球菌による流行が起つた例は相当報告されている。しかし,この報告は,1955年にオーストラリアで第1例があり,英・米では1957年にはじめて発見されたフアージタイプ80のブドウ球菌に因る流行で,流行発生前5ヵ月間もフアージによる型分類を続けていて,流行が突然ぼつ発したもので,流行のまん延状況を退院後の母子にまで手を延ばして調べ上げ,そして病院の一時閉鎖によつて流行を一挙に終そくせしめたという点で特筆すべきものである。タイプ80のブドウ球菌による流行は1957年11月19日に1人の新生児の下顎部膿瘍から分離されたが,その後の8週間に14例が感染し,その中9例は重症におちいり,その5例が死亡した。罹患率は8%であつたが致命率は35.7%ということになる。
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