文献詳細
特集 社会医学
文献概要
社会医学について本格的な論議が行なわれるようになつたのは今次大戦以後のことである。特に社会医学が医学教育の問題として諸外国においてとりあげられ,また数次の国際会議の主題となるようになつてからにわかに脚光を浴びることになつた。この種の会議においては主として医学校における学課課程の問題として社会医学を取り扱つているのであつて,医学研究の課題としてはむしろ第二義的に討議されたに過ぎないことは注目すべきことであり,社会医学の理解に若干の示唆を与えるものであろう。しかし社会医学がどのように取り扱われるとしても,社会医学の概念や内容の規定が前提となることが当然であつて,事実これらの会議においても毎常論議の中心とされており,しばしば会議用語としての社会医学の定義づけが行なわれた。いずれにしても社会医学が広く社会と関連を持つた医学の領域として,新しい知識の分野を開拓しつつあること,それは公衆衛生や予防医学の伝統的な形式や考え方とは全く異なつた観点に立つており,従つて古い医学や衛生についての基本的かつ素朴な原理と異なつた思考法や技術を要求するものとして社会医学の正当性を認めている点では共通している。
わが国においても最近,ようやく社会医学についての関心が高まつて来ており,過日,社会医学研究会の発足を見るに至つている。
わが国においても最近,ようやく社会医学についての関心が高まつて来ており,過日,社会医学研究会の発足を見るに至つている。
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