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文献詳細

雑誌文献

公衆衛生24巻2号

1960年02月発行

文献概要

「医学生に対する衛生学公衆衛生学の教育」についてのアンケート

衛生行政について

著者: 有薗初夫1

所属機関: 1和歌山医科大学

ページ範囲:P.102 - P.102

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 Winslowの定義に従えば「公衆衛生は組織されたCommunity即ち公共団体の努力によつて疾病の予防,寿命の延長,肉体的精神的効率の増進を図る学並びに技術」であるから,衛生行政を離れて公衆衛生はあり得ない。それは丁度臨床なくして臨床医学が成立たないと同じであろう。従つて野瀬教授が公衆衛生学教室を主宰しつつ,他面保健所長として自ら衛生行政活動の責に任じ,現実の問題を処理しつつ,その豊富な経験を教育と研究の面に生かしつつあることは極めて適切な行き方であると思われ,エネルギッシュな君にしてよく為し得るところと感嘆に堪えない。唯強いて一言いわしめるならば,研究,教育,行政の各分野に亘るこの様な多面的な活動は君にしてよくなし得るところであり,且秀れたスタッフを多数擁することによつて始めて可能なことであり,現段階において各教室直ちにこの様な活動に習うことは無理があろうと思われる。私はいつも衛生学公衆衛生学教育協議会の時に思うことであるが,衛生学公衆衛生学の講義並びに実習に関してあまりに多くの時間と労力とを標準化することになりはしないかを恐れる。各大学各教室の実情に応じ繁簡宜しきを得,その間自由選択の余地を残しておきたいものと考える。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1170

印刷版ISSN:0368-5187

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