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文献詳細

雑誌文献

公衆衛生24巻6号

1960年06月発行

文献概要

綜説

世界における佝僂病の歴史的観察(第I編)—諸外国における佝僂病の今昔

著者: 小原幸作1

所属機関: 1東北大学医学部小児科教室

ページ範囲:P.331 - P.347

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I.緒論
 欧州における佝縷病(以下佝と略す)の歴史は極めて古く既に石器時代の人骨にも佝性病変が認められており,又Hippocrates(460-377B. C.),Soranus(98-138A. D.),Galenus(130-200A. D.)等の古医書中にも佝様骨変形に関する記載が散見せられる1)〜5)。
 中世紀に至り本病は中部ヨーロッパ一帯に存在したものの如く1554年イタリア人医師Giovanni Theodosius6)は生後17ヵ月の佝様患児について記述し,またこれより少し遅れてポルトガル人Zactus Lusitanus7),フランス人Ambroise Paré8)等は佝様疾患あるいは小児の骨奇形について多数の症例を挙げている。殊に1600年頃よりイギリス本国においては本病が流行性に蔓延し,1634年のLondonの死亡統計中には佝による死亡の記録が残されており9),1645年Daniel Whister10)は俗にRicketsと呼ばれているイギリス小児の疾患について論文を発表し,また1649年アイルランドのArnoldus Bootius11)12)は最近アイルランドにかかる小児疾患が極めて多い事を指摘していた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1170

印刷版ISSN:0368-5187

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