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特集 僻地の保健と医療 僻地における保健と医療の問題
無医地区の問題点
著者: 北博正1 長崎護1
所属機関: 1東京医科歯科大学衛生学教室
ページ範囲:P.416 - P.419
文献購入ページに移動最近,無医地区についての関心がたかまりつつあるが,さて,無医地区とはいかなるものかということになると,あまり明確な定義は下せないようである。もちろん,無医地区という語が無医村の代わりに使われはじめたということはいえるであろう。というのは,かつての無医村,すなわち同一行政区画内に医師がいない村というのは機械的にえらぶことのできる,はつきりしたものであるが,最近の町村合併で,村なり町なりの行政区画がひろくなり,旧無医村が旧有医村と合併し,新有医村となり,事実上,この意味での無医村は激減してしまつたのであるが,その大字,字なり部落によつては,同一村内,または近接町村の医療施設の恩恵に浴することが不可能乃至きわめて困難であるという地区は依然として存在しているのである。
このことは,そのような地区の住民にとつてまことに不幸なことであるが,わが国が国民皆保険の建前をとることになつてみると,このような人々に対しても,なんらかの医療給付をしなければならなくなつて,いわゆる無医地区の問題がにわかにクローズアップしてきた。
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