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特集 公衆衛生学会を顧みて 公衆衛生学会印象記
—第6分科会—結核
著者: 岡田博1
所属機関: 1名古屋大学予防医学教室
ページ範囲:P.21 - P.23
文献購入ページに移動そこで演説された問題からひろつてみると。先ず北海道衛生部の岩永等はX線による学童の性腺被曝量の問題を論じた。これはレ線被曝の年齢的許容量の判然としていない今日,議論はあろうがやはり考慮を要する問題で系統的な基礎研究が望まれる。結核予防会塩沢等は間接写真の病巣発見率が,陰影が骨と重なつた場合に著るしく低下することを述べ評価の高い写真をとることを強調しているが,今日間接撮影の技術は相当進歩したとは言え今一段の努力を要すべき問題である。公衆衛生院重松等は精製ツとOTとの特異度の比較を陰性者にBCGを接種して生ずるコッホ現象をも参照して精製ツの方がOTより特異度が高いことを報告している。この方法は面白い着眼と思うがBCG歴のない集団との比較が望ましい。
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