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原著
新らしい感染病Listeriosisについて
著者: 加藤久彌1
所属機関: 1岩手大学農学部家畜病原微生物学
ページ範囲:P.568 - P.572
文献購入ページに移動しかしながら1948年田島47)が脳炎症状で死亡した山羊脳の病理組織学的所見かな本菌の日本に侵入していることを示唆して以来,北海道,東北地方に羊,山羊の同様の症例が続発し,ついに1951年旭2)によつて最初にL菌が分離同定されるに至つた。その後現在まで毎年,東北,北海道には家畜のL症が発生しており,ついに人体感染例も4例ではあるが,1958年以降発生するに至つた。この事実は,本菌が何らかのルートで日本にはいり,次第にその発生区域を拡大する傾向を示すものであり,今後わが国の畜産上はもちろん,公衆衛生上重大な影響をおよぼすものと考えられる。
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