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原著
蟯虫の感染源に関する研究(1)—便所扉の把手からの蟯虫卵検索成績
著者: 清水重矢1 阿久沢実1 中林正子1
所属機関: 1日本獣医畜産大学・医動物学教室
ページ範囲:P.118 - P.119
文献購入ページに移動わがくににおける蟯虫蔓延の実体については,資料が不完全なためにあきらかではないが,Graham(1941)によつてScotch tape法が考案されてこのかたCellophane tapeによる検査が広くおこなわれるようになり,地区的にはその浸淫の状況が次第にあきらかになつてきた。今日までに報告された多くの成績を綜合してみると大体40-50%を中心として60-80%,ときにはそれ以上の陽性率を示している。このような実状から判断して,蟯虫は広汎かつ濃厚に国民の間に寄生蔓延しているものと想像される。したがつてわれわれの生活環境いたるところに,感染源としての蟯虫卵が散布される可能性を考えると,すぐれた蟯虫駆除薬が出現した今日であつても,その感染防止ということはなかなか困難な問題であり,しかも重要な課題でもある。
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