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文献詳細

雑誌文献

公衆衛生25巻3号

1961年03月発行

文献概要

原著

蟯虫症に関する研究(第4報)—Piperazin,Dithiazaninの単独,併用投与による蟯虫の駆除成績について

著者: 高橋克巳1 灘波豊愛1 阿部輝明2

所属機関: 1福岡県衛生研究所 2福岡市当任小学校

ページ範囲:P.179 - P.182

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はじめに
 Dithiazaninは3-ethyl-2-〔5-(3-ethyl-2-benzothiazolinylidene)-1,3-pentadienyl〕benzothiazolium iodideの化学構造を有するチアン系色素の一種で,1957年McCowen等1)によつて初め動物の腸管内寄生虫に広範な駆虫作用がある事を報告され,続いてFrye等2)Swartzwelder等3)は人の腸管内寄生虫にも極めて強力な駆虫効果を発揮する事を認め,わが国でも国枝等4),森下(哲)等5),森下(薫)等6),小宮等7),長嶋等8),荒木等9)がこれを追認しているが,Dithiazaninが,従来の各種駆虫剤と異る処は,これが世界で初めての本格的広範囲駆虫剤(Broadspectrum Anthelmintic)として人の腸管内寄生虫の殆んどのものに強力な駆虫効果を呈し,特に従来適切な駆虫剤のなかつた糞線虫,鞭虫に特効的であり,近時関係者の注目を集めている。
 私共は従来,蟯虫症に関する研究において蟯虫の駆除にPiperazinを用いて報告10)11)しているが,今回Dithiazaninを使用し,Piperazinと各々単独または併用投与による蟯虫駆除効果を比較検討したので,以下その所見について述べる。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1170

印刷版ISSN:0368-5187

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