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特集 食中毒 原著
病原性好塩細菌P. enteritis Takigawaによる食中毒の発生防止に関する実験的研究
著者: 天明黎子12 柳沢文徳1 山口三重1 田中香麿1 広瀬周二1
所属機関: 1東京医科歯科大学医学部農村厚生医学研究施設 2和洋女子大学微生物学教室
ページ範囲:P.340 - P.346
文献購入ページに移動病原性好塩細菌による食中毒が,昭和30年滝川氏1),2)によつて指摘されて以来,本中毒が注目され,とくに昨年来急に原因不明魚介類食中毒のうちのアジによる食中毒との関連について本菌が問題になつた3)。そのためにこの菌による中毒例が各方面より報告されるに至つた。著者等の一人柳沢は原因不明鮮魚(厚生省統計資料では魚介類)食中毒事例の過半は病原性好塩細菌によるものと推定し,その根拠として宮城県の中毒事例を引用してその裏付けとしている4)。魚介類の食中毒が全中毒の50〜60%を占めていることより考えると,本菌による食中毒の解明は勿論のこと,その予防対策については,科学的根拠を有する根本的方法の確立が極めて急を要するものと考えざるを得ぬ。しかるにこの問題の解明に関する研究は何故かきわめて少なく,いまだ多くの未解決問題が残されているのは極めて遺憾であると言わざるを得ぬ。
食中毒の発生機序より考えて,その予防対策を考えねばならぬが,一般的に原因細菌と食品,それの摂食の経路をみると。
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