icon fsr

文献詳細

雑誌文献

公衆衛生25巻6号

1961年06月発行

特集 食中毒

原著

新鮮イカによる食中毒の研究—主として中毒発生原因物質について

著者: 藤原栄一12

所属機関: 1新潟大学医学部薬理学教室 2現:信州大学医学部薬理学教室

ページ範囲:P.347 - P.354

文献概要

昭和30年6月17日から7月上旬頃まで,佐渡観光団に食中毒が集団的に多発して,原因食品としては両津湾沖で水揚げされたイカが挙げられた。同年7月11日新潟県衛生部員によりイカの刺身の試食実験が行われ49名中15名が食中毒を起し,イカが原因であることが確認された。1)
 その後各方面で食中毒発症原因物質についての研究が進められ,イカが水揚後細菌によつて腐敗して有毒アミンが生じ,これが発症の原因になつたと考える研究者2)3)4)5)6)もある。新潟県衛生部員の試食したイカは鮮度のよいイカであつて,水揚後の細菌による腐敗の考えにくいものであつた。またイカ摂取後発症までに平均13.7時間7)を要しているので,アミン類が発症原因ならばこれらの経口摂取から発症までの経緯についても更に一考を要すると思われる。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1170

印刷版ISSN:0368-5187

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら