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文献詳細

雑誌文献

公衆衛生25巻6号

1961年06月発行

文献概要

原著

蟯虫の感染源に関する研究(Ⅱ)—硬貨および紙幣からの蟯虫卵の検索について

著者: 清水重矢1 二橋功1 中林正子1

所属機関: 1日本獣医畜産大学医動物学教室

ページ範囲:P.361 - P.363

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まえがき
 指頭や爪垢などを対象として寄生虫卵の検索をおこなつた報告のうちから,とくに蟯虫卵に関するおもなものをひろいあげてみると,丸野1)は1,818名の学童の爪垢を検査し,男女平均して2.79%に蟯虫卵保有者を,1.52%に回虫卵保有者を,そして0.64%に鉤虫卵陽性者を証明し,さらにその保有率を年齢別,性別にみたのに,蟯虫卵と回虫卵保有率の最も高いのは両者とも7歳男児で,前者は13.04%,後者は8.19%であつたといつている。森脇2)は病院の外来を訪ずれた4歳から10歳以下の幼小児500名の指頭洗滌液から80名(16.0%)に蟯虫卵をみとめ,篠原3)は某隣保館児童66名の指頭洗滌液(主として爪垢)をしらべ,9名(15.1%)に蟯虫卵を検出し,松田ら4)は学童2,190名の爪垢中から53名(2.42%)に蟯虫卵を,236名の学童の指頭洗拭液から蟯虫卵保有者10名(4.24%)を見いだしている。わたしどもの一人清水5)は510名の小学児童の指頭洗拭液から68名(13.39%)に蟯虫卵を,また,300名の児童の爪垢をしらべて58名(19.33%)に蟯虫卵を証明した。辻ら6)は学童85名の爪垢から蟯虫卵保有者41名(48.2%)を検出し,ことに低学年では62%の陽性率をみたといつている。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1170

印刷版ISSN:0368-5187

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