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文献詳細

雑誌文献

公衆衛生26巻11号

1962年11月発行

特集 社会医学(第3回社会医学研究会講演)

一般演題

富山県クル病多発地帯に於ける社会的因子の調査成績について

著者: 河野稔1 中山忠雄1 大出博1 笠木茂伸1 藤井晃夫1

所属機関: 1河野臨床医学研究所

ページ範囲:P.624 - P.626

文献概要

 われわれは過去数年間に亘り主として純医学的な面より富山県下のいわゆるイタイイタイ病並にクル病の調査を行って来たが,実際にクル病調査班を組織して県下のクル病多発地帯に入ってみると従来クル病の発病因子として重要視されて来た紫外線の不足,ビタミンDの欠乏,カルシウムの摂取量不良,Ca:Pのアンバランスな食習慣,Protein Scoreの低いこと等々の事実を確認して来たのであるが,これらの因子の根源を更に探ってみるとこの地帯における疾病地理学的な因子たる北陸特有の悪い気象条件を更に悪化せしむる傾向すなわち山林の鬱蒼たる傾斜面に家が立っていること,また家屋構造が全く採光を顧慮せずに建てられていることおよび貧しい農山村の経済的条件より必然的に食生活が不良となり更に栄養知識の欠乏がこれを更に悪化させている傾向など数々のクル病発生の母体となっていると思われる点を認めたので,これらの社会生活的因子の基礎的資料を得るため先般来われわれの調査班はクル病の専門的集団検診を実施するかたわらルネサンドの環境因子の調査方法に準じてこれらの地域における住民の①職業的因子(Professional Factor),②労働的因子(Laboratory Factor),③経済的因子(Economical Factor),④家庭的因子(Familiar Factor),⑤教育的因子(Educational Factor)等につき調査した結果につき報告する。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1170

印刷版ISSN:0368-5187

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