文献詳細
綜説
文献概要
はじめに
農薬工業のめざましい進展にともなって,ParathionやTEPPなど有機リン剤が殺虫剤として頻用されるにおよんで,これらによる偶発あるいは故意の中毒事故が増加し,そのため有効的確な解毒薬の出現が要望されるようになった。
これら有機リン剤の動物にたいする毒性は,主として体内のCholinesterase(ChE)の阻害にもとずくA etylcholine(Ach)の過剰蓄積によるものとされ,したがって中毒の治療には,作用拮抗という点で主にアトロピンが使用されてきた。しかしアトロピンは,Achの作用のうちムスカリン様作用には有効だが,ニコチン様作用には拮抗せず,またAlkylphosphateによる中枢神経刺激ないし麻痺作用(振顫,痙攣など)にたいしてもあまり有効でない。
農薬工業のめざましい進展にともなって,ParathionやTEPPなど有機リン剤が殺虫剤として頻用されるにおよんで,これらによる偶発あるいは故意の中毒事故が増加し,そのため有効的確な解毒薬の出現が要望されるようになった。
これら有機リン剤の動物にたいする毒性は,主として体内のCholinesterase(ChE)の阻害にもとずくA etylcholine(Ach)の過剰蓄積によるものとされ,したがって中毒の治療には,作用拮抗という点で主にアトロピンが使用されてきた。しかしアトロピンは,Achの作用のうちムスカリン様作用には有効だが,ニコチン様作用には拮抗せず,またAlkylphosphateによる中枢神経刺激ないし麻痺作用(振顫,痙攣など)にたいしてもあまり有効でない。
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