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文献詳細

雑誌文献

公衆衛生26巻12号

1962年12月発行

文献概要

綜説

有機リン中毒解毒薬としてのOxime

著者: 保刈成男1

所属機関: 1日本大学医学部薬理学教室

ページ範囲:P.675 - P.682

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はじめに
 農薬工業のめざましい進展にともなって,ParathionやTEPPなど有機リン剤が殺虫剤として頻用されるにおよんで,これらによる偶発あるいは故意の中毒事故が増加し,そのため有効的確な解毒薬の出現が要望されるようになった。
 これら有機リン剤の動物にたいする毒性は,主として体内のCholinesterase(ChE)の阻害にもとずくA etylcholine(Ach)の過剰蓄積によるものとされ,したがって中毒の治療には,作用拮抗という点で主にアトロピンが使用されてきた。しかしアトロピンは,Achの作用のうちムスカリン様作用には有効だが,ニコチン様作用には拮抗せず,またAlkylphosphateによる中枢神経刺激ないし麻痺作用(振顫,痙攣など)にたいしてもあまり有効でない。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1170

印刷版ISSN:0368-5187

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