文献詳細
文献概要
特集 ポリオの疫学(その1) 巻頭言
ポリオの疫学
著者: 北岡正見1
所属機関: 1国立予防衛生研究所
ページ範囲:P.57 - P.59
文献購入ページに移動敗戦後,エール大学のPaulらが来日し,日本におけるポリオ発生状況を調査し,疫学的に日本はポリオウイルスの濃厚汚染地で,生後まもなくウイルスの洗礼を受け,散発的に患者が発生するけれども,欧米なみに流行型発生を起こす程度に環境衛生がよくないと報告した。この報告はポリオの疫学について知識の少なかった当時のわれわれにとって,一つの衝撃であった。しかしわれわれ1)が日本各地の住民の各年齢層から採血し,ポリオ2型ウイルス(Lansing株)に対する中和試験を行なうにおよんで氷解した。すなわち,わが国で生まれた子供は生後まもなくポリオウイルスの感染をこおむる。
掲載誌情報