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文献詳細

雑誌文献

公衆衛生26巻3号

1962年03月発行

文献概要

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DDVP蒸気による航空機殺虫法の予備実験

著者: 清水

所属機関:

ページ範囲:P.159 - P.159

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 外来昆虫の飛行機内への侵入を防ぐために現在行なわれているエアゾル殺虫方法は効率がよくないので,これに代わる方法として1953年Quarterman,Sulivanらが換気装置に組み込んだリンデン蒸気発生器を用いて素晴らしい殺虫効果を得たとの報告をして以来,かなりたくさんの研究が行なわれて来たが,われわれが使用した薬剤はDDVPで,この総合研究の第一段階として1959年マイアミ国際空港の地上において,DC-6,DC-7の2機の商用機について実験した。被検体には家蝿を用いた。
 実験結果はエアゾル法に比べて極めて高い殺虫率を示し,DDVP 0.3μg/lが最も有効であった。物体表面におけるDDVPの残留量を調べるため,数々の実験の後で検体を不銹鋼,皮革,ビニールプラスチックなどに接触させて検討したが,プラスチックの表面において最も死亡率が高かった。人体に対する影響についてはこの実験に参加し,実験中機内に所定時間止まった数名の人々について,ほとんど悪影響を認めなかった。実験の結果は航空機内の殺虫には殺虫剤の蒸気を用いることが有利であることを示し,かつ現在用いられているエアゾル法よりも乗客,乗員に不快感を与えないことを示唆している。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1170

印刷版ISSN:0368-5187

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