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特集 都市計画
英国の新都市
著者: 駒田栄1
所属機関: 1国立公衆衛生院
ページ範囲:P.204 - P.213
文献購入ページに移動東京都は本年2月で1000万都市となり,世界史上はじめてのマンモス人口をかかえた大都市が出現したのであるが,なお,年間約30万ずつ増加しているこの状態が続けば,近い将来1,500万都市になるといわれる。しかもこれらの人口増加の7割までが社会増で,住宅問題交通問題,衛生問題などの行政上の対象になる人たちばかりだとすれば早急に対策をたてで何とか打解しなければならぬ曲り角にきているといわれる。都では昭和32年から10カ年計画で,首都圏整備委員会をつくり次のような基本方針のもとに打開策を講じているといわれている。(1)区部や隣接の既存市街地では,人口増加の原因となる工場学校の新増設制限,(2)その外側に約幅10キロのグリーンベルト地帯をつくる,(3)その外側に工業衛生都市をつくる。これらは構想であり,現在まだ実行の段階にはほど遠いもののようである。人口数では常にかなえの軽重を論ぜられるロンドンで,すでにこれら3案とも計画され実施され,ほぼ完成している英国のいわゆる新しい都市づくりの概要をみなおしてみたい。私は英国の新都市を見ていないので,専問の誌上で報告されたもの,あるいは新都市の計画書,その他近着の2,3の資料から抜萃して書いてみるが,多少数字のくい違いだの,計画とその後実施上変更されたものなどの相違のあることをあらかじめお断わりしておきたい。
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