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特集 コレラ・パラコレラの疫学 流行史
日本のコレラ
著者: 高部益男1
所属機関: 1厚生省防疫課
ページ範囲:P.323 - P.325
文献購入ページに移動次の流行は,安政5年(1858年)から万延元年(1860)へかけて襲来した。すでに安政2年には長崎在留のオランダ人を通じて第3回世界流行の情報がはいっていた。中近東アジアからヨーロッパ諸国,さらに中南米へおよび,インドシナ,ジャワ方面へは流行の初期である1852年にすでに大流行が始まっていた。ジャワ島では大雨が降り続き,また欧州でも河川の氾濫の上クリミヤ戦役が重なって流行による被害は増大したといわれる。わが国ではまず安政5年6月長崎に侵入した。長崎在の医師ボンベの説によれば,中国より来航した合衆国軍艦によって持ち込まれたとしているが,侵入し各地へ波及した経路は明らかでない。
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