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文献詳細

雑誌文献

公衆衛生26巻7号

1962年07月発行

文献概要

公衆衛生最近の進歩

産業衛生—転換期に立つ労働衛生管理

著者: 土屋健三郎1

所属機関: 1慶応義塾大学医学部衛生学・公衆衛生学教室

ページ範囲:P.405 - P.411

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はじめに
 産業衛生という言葉は,恐らくIndustrial hygieneまたはGewerbe Hygieneという英語やドイツ語の訳であろう。現今,Industrial hygieneといえばむしろ,衛生工学,すなわち労働環境を人間に適合させるためのengineeringを意味するので,医学その他を包含する大きな意味での産業衛生はIndustrial healthと表現したほうが適当であろう。また,最近では工場以外のオフィスや農業などを含めてOccupational health(労働衛生,またはあまり使用されていない邦語ではあるが職業衛生)といったほうがよいように思われる,英語でIndustrial healthという言葉を用いてあっても,それは工場以外の労働職場,または働く人すべてを含むものであることを明記している1)。このように言葉の表現方法や内容が変化して来たこと自体が,最近この方面の学問や技術が進展して来たことを如実に示している。一方産業以外の職場,たとえば,事務作業なども機械化オートメーション化などによって,あたかも産業職場の様相を呈して来たことにもよる。
 ところで,日本における労働衛生または産業衛生は,先進諸外国に比較すると,その歴史も浅いし,従って,行政的にも,学問的にも若いものであるといえよう。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1170

印刷版ISSN:0368-5187

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