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文献詳細

雑誌文献

公衆衛生26巻8号

1962年08月発行

文献概要

文献

公衆衛生の見地よりみた流行性肝炎/定期健康診断—開業医の態度に関する調査

著者: 芦沢

所属機関:

ページ範囲:P.436 - P.436

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 従来保健対策上からとかく軽視されていたきらいのあるこの疾患は,こんどの大戦中,軍陣衛生上の重要な問題となるほど,各地で兵士の間に流行があこった。公衆衛生のうえから重要な意味をもつこの疾患の不顕性症はひかえ目にみても顕症例の2倍以上とみられる。糞便→(食品,食器,什器)→口という経路が知られているが,ビールス血症をおこしている不顕性症,ないし軽症の供血者の場合,輸血による伝ぱん経路がある。供血者もしくは亜基疸者のふるいわけ検査として,血清グルタミック,オキザールアセティック,トランスアミナーゼテスト(SGOT-test)が有効である。
 数年前,カナダのCupe Bretonの小学校で200名の学童のうち,その1/4が罹患するという流行があった。現在は学校の新築増築の際は地方衛生当局による上下水設備に関する計画の承認が必要となっているが,当時はそのようなとりきめができていなかった。この小学校ではその年の定例の飲料水(井水)水質検査によれば,初秋に大腸菌群がやや多数と認められ,陶磁器に銀板を張った濾過器が翌年1月半ばにとりつけられた。当初4週ぐらいは大腸菌群集落数のうえでは有効のように思われたが,その後汚染が証明され,下水とのつながりがあったことがわかった。患者は12月より3月末まで学校で50名,家庭で成人が17例をかぞえた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1170

印刷版ISSN:0368-5187

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