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雑誌文献

公衆衛生27巻1号

1963年01月発行

文献概要

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アジアインフルエンザ—大きな閉鎖集団に於ける孤立的流行について,他

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ページ範囲:P.6 - P.6

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 1960年2月,単一の建物の中でアジアインフルエンザの集発団生があり,約1カ月間に64人(23%の発病率)1日最高16人罹患した。このことは,1958年と1959年の2回にわたり単価と多価のワクチンの予防接種を行っていたので,全く予想もしていなかったことである。本論文はこの流行の患者を抽出してその発生状況や患者の血清学的検査(血球凝集阻止現象,中和抗体,補体結合反応)およびウイルスの分離等について具体的に述べている。
 すなわち血清学的面では急性期と回復期の患者血清をとり,抗体価産生の程度を検討し,すでに予防接種を受けている接種群(80%)とそうでない非接種群(20%)との抗体価産生度の差違を明らかにした。そして非接種者がインフルエンザ流行に重要な役割をはたしていることがわかった。したがって予防接種は少くも80%以上の人が受けなければこの程度の集団免疫としては意義が少く,20%程度の人が受けないでいると,その人はもちろん,抗体価の充分ある人も罹患すると述べている。またワクチン自体にも問題があり,充分病気から守るための抗体価はどの程度あったらよいか,また高い抗体価をもっている人も保菌者提示となりうるという問題等を最後に著者は提示している。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1170

印刷版ISSN:0368-5187

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