icon fsr

文献詳細

雑誌文献

公衆衛生27巻11号

1963年11月発行

文献概要

特集 地域開発と住民の健康—(社会医学研究会特別報告)

5.四日市工業地帯—地域開発と公害問題

著者: 吉田克己12 大島秀彦12 小川節子12

所属機関: 1社会医学研究会中京ブロック 2三重大公衆衛生

ページ範囲:P.605 - P.608

文献購入ページに移動
 今日,日本のおくれた地域,繁栄からとり残された地域の人々の願望は,工場誘致であり,地域開発だといわれている。今日,地方の人々にとっては多くの場合,地域開発と工場誘致は殆ど同意語のように理解されており,事実,京浜,阪神,北九州地帯を除いた殆どの地域での,地方自治体の政治的目標は工場誘致であったし,東京その他の所謂,過剰地域からは考え難いようなムードが,地方の政治的日標をとらえてきた。
 「高度経済成長」乃至は「所得倍増計画」の具体的内容としての所謂,拠点工業基地建設が,地元民に多くの思わくをふりまいてきたことは事実であり,今日においてもそうであるが,しかしこれに必要な港湾,工業用水,道路その他の公共投資を地方自治体に押しつけ,進出企業は更に多くの税法上その他の特典をもちながら,一方において自からの工場投資は生業採算性の観点から行なわれ,都市計画その他の考慮が殆ど実現されず,結果としての,完全なまでの「衛生学的無秩序」というものが,その地域社会を支配したところに基本的な問題点が存在しよう1)

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1170

印刷版ISSN:0368-5187

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら