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文献詳細

雑誌文献

公衆衛生27巻12号

1963年12月発行

文献概要

綜説

再生産率の赤字問題—日本人口のPotentiality

著者: 水島治夫1

所属機関: 1九州大学

ページ範囲:P.659 - P.663

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I.NRRの現状
 近年わが国の人口上注目すべき特異なことは,純再生産率(Net reproduction rate,NRR)が1.0以下に下っていることである。(これを赤字と称することとする。)NRRとは,ある人口が一代に次代の人口により置きかえられる(replace)割合である。例えば1000名の新生児が長じて,生殖を終るまでに1000名の子をもうければ,NRRは1.0であって,人口は増減しない。1.0を割り赤字なれば人口は減じ,1.0以上の黒字なれば人口は増殖する。
 NRRの計算 女性だけを扱う。年令をxとし(実際にxは15歳より49歳までの生殖期間),x歳の母から生まれた年間女児の数を,その年の女人口で割り,x歳の出産率(fertility,記号はm(x))を出す。これを全年令(15〜49歳)にわたり合計したものが総再生産率Gross reproduction,rate GRR)である。出生時からx歳まで生存する確率をp(x)とすれば,p(x)は生命表のLx/loで与えられる。このp(x)とm(x)をかけ合わせ,合計したものΣm(x),p(x)がNRRである。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1170

印刷版ISSN:0368-5187

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