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文献詳細

雑誌文献

公衆衛生27巻12号

1963年12月発行

文献概要

原著

脳卒中と循環器検診における眼底所見および心電図異常頻度についての検討

著者: 土屋真1 竹内敏博1 菅原正敏1

所属機関: 1東北大学衛生学教室

ページ範囲:P.673 - P.677

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 脳卒中と循環器検診で発見された1.881名の高血圧者の,眼底所見ならびに心電図所見頻度との関係を検討したが,検診成績と一致することより,集団検診の意義が認められる。
 1)石巻保健所管内の脳卒中死亡率は,人口10万対157.7であり,他の疾患で死亡した脳卒中者は7.3であった。また年齢別にみると,40歳台では人口1,000対0.2で,その後は年齢とともに高率となり,80歳台では107.1となる。更に農漁村別,性別にも著明な差がある。
 2)某臨床医があつかった脳卒中患者における初診時血圧正常者頻度は,119名中12.6%であった。
 3)検診を受けた脳卒中生存者は,少数例のため血圧,年齢および尿蛋白,心電図,梅毒有所見率等に明らかな差は認められなかった。
 しかし眼底所見のK.W.O.I群よりK.W.IIa以上の群に高率で有意差を認めた。
 4)眼底と心電図有所見者率および心筋傷害とは密接な関係がある。
 5)K.W.IIa群およびIIb,III群は,血圧,年齢が高い程高率となる。すなわち眼底出血頻度は,最大血圧210mmHg以上または最小血圧130mmHg以上では18%,年齢別には60歳台の高血圧者では11%であり,老人で最大または最小血圧の高い程,脳卒中の危険性の大なることを示している。また眼底所見程度と血圧との間では有意の正の相関が認められた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1170

印刷版ISSN:0368-5187

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