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原著
対馬における肺吸虫病の現況
著者: 安陪光正1 高岸達也1 武市昌士1 山本厳雄1
所属機関: 1国立筑紫病院肺吸虫病研究班
ページ範囲:P.104 - P.107
文献購入ページに移動大正7年内務省衛生局の調査,「本邦における地方病の分布」1)の中に,長崎県上県郡(対馬)の住民867名の喀痰を検し,31名に肺吸虫卵を証明し,対馬が本病の濃厚な流行地であることが,文献上はじめて指摘された。しかしこれは,さして住民の注意をひかなかったらしく,昭和3年の対馬島誌2,にも,わずか2行「風土病としては一般に特記すべきものなし。ただ鶏知村大字洲藻および峰村大字三根に肺ジストマの潜伏せるあり」,との記載があるにすぎない。その後本病について,対馬からの報告は見当らない。
昭和34年に至って,長崎大学風土病研究所,片峰大助教授ら3)は,佐賀川,古田川,三根川,仁田川,佐護川,舟志川のモクズガニの調査と,三根,仁田,佐護,佐賀,舟志の各小中学校児童生徒について肺吸虫皮内反応を行ない,検便の結果25名に虫卵を見出した。さらに35年,上槻川,久根川,阿連川,瀬川,浅藻川,内院川,久和川のモクズガニの調査と金田,久和,内院,大調,阿連,豆酸,瀬の各小中学校児童生徒について肺吸虫皮内反応を行ない,検便の結果10名に虫卵を見出した。
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