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私はこう思う シンポジュウムをきいて
ニードの疑惑
著者: 中村文雄1
所属機関: 1岡山県総社保健所
ページ範囲:P.41 - P.42
文献購入ページに移動保健所は兎角上をおそれて下に従わないものだという。だが衛生部や厚生省などさ程こわいとは思わぬ。甲斐性は知らず,いわゆる上部機関というものは親許のようなもので,駄々もこね,頼っても行ける所である。上としておそるべきは国民ではないか。それは下どころか主であり,我々はその僕に過ぎぬ。時としては僕呼ばわりに抗議して待遇改善を要求したこともある。そして最も気がかりなのは,国民たる主が保健所をどれ程重んじてくれるかということである。設備も人もこれ位で十分だから我慢しろ。そう思われたら大変だ。それならばもうこれ以上どんなニードが出ても到底力は及ばないのである。電気時代に保健所という灯がいつまでもランプのままで光っていると,公衆衛生は暗闇かとも思われるのだ。寝たままニードが適うなら,それは魔法のランプである。
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