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文献詳細

雑誌文献

公衆衛生28巻12号

1964年12月発行

文献概要

論叢 保健婦活動の前進のために

行き届いた指導者としての眼と足をもて—保健所長から

著者: 松浦利次1

所属機関: 1田無保健所

ページ範囲:P.691 - P.692

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 日本の訪問看護事業(保健婦事業)は,4半世紀の歴史ももたないうちに,はや転換期を迎えようとしている。それは,わが国の公衆衛生,とくに保健所のあり方が,いまのままではいけないという考え方とも結びあっている。これから5年さき,10年さき,さらに20年さきの公衆衛生活動のあるべき姿と,その中にはたらく医師や保健婦の姿を想像してみるとき,じっとしていられない焦燥感にかられるのは,私一人ではないであろう。
 いまや,人間の健康に関する学問は進歩し疾病に対する医薬学の貢献は著しい。ために人の寿命は伸び,生の喜びをより多く享受させようというレジャーや消費の途はひらけていく。けれども,われわれの住む環境はつぎつぎと汚される。金になることは何でもやる--しかし人間の健康への考慮はあとまわしである。その実例はいやというほど私たちのまえに転がっていて,どうしようもない。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1170

印刷版ISSN:0368-5187

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