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文献詳細

雑誌文献

公衆衛生28巻12号

1964年12月発行

文献概要

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コレラ潜入事件始末記

著者: 海老原進1

所属機関: 1厚生省防疫課

ページ範囲:P.703 - P.703

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 □突如コレラ患者発生  6月の新潟地震,7月の山陰・北陸豪雨と忙しい日々を過ごしたわれわれも,やっと夏の海に,山に,家族とともにリクリエーションの一日を過ごすこともできて,ホッとしていた一日,ちょうど8月25日の昼休み,「今までの発生時期を見返してみると,どうも8月末頃から9月,10月にかけてコレラが出ていますねえ,そろそろシーズンですね」,「冗談じゃあない,余りおどかさないで下さいよ」と内原補佐と笑いながら話しあっているところに,千葉衛研加地所長が入ってきた。
 「国立習志野病院に入院していた患者がどうもコレラらしい。いま予研に検体を持って行って検討を依頼してきた」といわれる。ソレッ!!というわけで昼休みの室内は俄然色めきたった。詳報を求めて現地に電話を入れる者,情報綴りを用意する者,「緊急電話増設の申込みをしろ」という木島主任の声が鋭く尖っている。昔でいえば檣頭高く戦闘旗が掲げられ,戦闘ラッパが鳴りわたったというところであろう。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1170

印刷版ISSN:0368-5187

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