文献詳細
綜説
文献概要
1.アジア・コレラの蔓延状況
1962年,印度及び東パキスタンからは患者28,199,死者10,003がWHOに届出られているが,この2国の報告数は,1960年迄は殆んど世界中の患死者数の総てを占めるものであった。しかし1961年以降はこれら2国がアジアコレラについて依然重要な地位を占め,コレラのふるさととして無視し得ないことは勿論であるが,El Torコレラが流行の形で登場したことによって,少なくとも西太平洋地域における印度,パキスタンの演ずる役割は誠少しつつあると言えよう。
印度における1962年の発生数は(患者25,566,死者8,671)61年に比しやや減少している。1962年の特長としてはガンジス河の上流,中流であるUtta Pradesh及びBihar地方が劇的に減少し,下流及びデルタ地帯を占めるWest Bengalには依然として,発生が集中し常在流行地となっていることである。
1962年,印度及び東パキスタンからは患者28,199,死者10,003がWHOに届出られているが,この2国の報告数は,1960年迄は殆んど世界中の患死者数の総てを占めるものであった。しかし1961年以降はこれら2国がアジアコレラについて依然重要な地位を占め,コレラのふるさととして無視し得ないことは勿論であるが,El Torコレラが流行の形で登場したことによって,少なくとも西太平洋地域における印度,パキスタンの演ずる役割は誠少しつつあると言えよう。
印度における1962年の発生数は(患者25,566,死者8,671)61年に比しやや減少している。1962年の特長としてはガンジス河の上流,中流であるUtta Pradesh及びBihar地方が劇的に減少し,下流及びデルタ地帯を占めるWest Bengalには依然として,発生が集中し常在流行地となっていることである。
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