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一企業体の疾病統計から見た諸問題
著者: 武内俊郎1
所属機関: 1滋賀県保険課
ページ範囲:P.342 - P.345
文献購入ページに移動各種企業体における公衆衛生上,或は衛生管理上の問題をとりあげた研究発表は少なからず行なわれている。これらの研究は概ねその目的とする点,例えば特定の環境と関連の深い特定の疾病の消長とか,精神衛生上の管理とか,それらに対する対策等を目標としてなされていることが多い。
公衆衛生活動の基木に示されている通り,それ等の対象のニードに適応した診断→対策→活動→評価=再診断→対策……という系列を追って研究を行なうためには,とり上げる材料の選沢において,環境,形態,質等の純粋化,或は整理が必要であるので,自然にその研究対象の選択の幅は制限をうけることになる。しかし,現実には社会的に真に公衆衛生活動の助けを必要とする対象は,学問的な分析,研究の材料としては余りも粗雑な条件の下におかれており,学問的興味から縁遠い存在として放置さている状況にある。
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