icon fsr

文献詳細

雑誌文献

公衆衛生28巻9号

1964年09月発行

文献概要

談話室

岡目八目・酒と煙草と女と

著者: 竹内繁喜1

所属機関: 1東京都立築地産院

ページ範囲:P.470 - P.471

文献購入ページに移動
■酒
 職務柄1〜2回ではあったが都知事主催のパーティに出かけたことがある。知事は,ビールはどうかしらないが日本酒を飲まない。ウイスキーである。若い先生方によくサービスして酒をついでまわっていたが,自分ではウイスキーグラスを持ってまわって「私はこの方だから」と日本酒の返盃はことわっておられた。真意はしらない。元気に活躍している知事のことだから病気のせいではないだろう。数多い返盃をことわる逃げ口上かもしれないが,やはり,洋酒にくらべると日本酒はどうも身体によくないと考えておると察するのがいちばん妥当だろう。
 2〜3日前,外来に中絶希望の患者がきた。「ズッと受胎調節をやっていましたが,一度だけ主人が酔っぱらって帰り,つい予防をしませんでした。どうもその時に妊娠したようです。書物を読むと,酒を飲んで関係し,妊娠した子供は頭がわるいと書いてありますね。私どもは育児に熱心なので,頭のわるい子供ができては困るのです」というのが理由である。ちかごろ,教育ママとか育児ノイローゼとかいう言葉がはやっているが,育児に対する関心も,ついにここまできたかという感じがする。そのうち紋付,袴で子供をつくる時代がくるかもしれない。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1170

印刷版ISSN:0368-5187

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら