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文献詳細

雑誌文献

公衆衛生29巻6号

1965年06月発行

特集 都市化と保健活動

主題

都市化と保健活動

著者: 西川滇八1

所属機関: 1日本大学

ページ範囲:P.308 - P.309

文献概要

■都市化について
 わが国では,今日非常な勢いをもって都市化urbanizationが行なわれている。この傾向は欧米先進国においても同様である。都市化の過程において発生する綜合保健の問題を検討するには,都市と農村とを明確に区別しておかなければならない。しかし都市と農村とを区別する線をどこに引いたらよいかがすこぶる漠然としている。現在主要な都市という意味で用いているmetropolisは,ギリシャ時代にはmother city of a colonyということであった。しかし後にはcapital city首都またはa chief city of a region中心都市という意味をもつように変わってきた。昔は1行政単位に1都市という程度であったが,その後,大都市を中心として周囲に生まれた群小都市も考えなければならなくなってきた。さらにLondonや東京のごとく,周囲の群小都市を融合して大きく成長し,都市の中に幾つもの行政区画を設けなければならないほどの過大都市も出現している1)。近世までの都市は多少の差こそあれ地域および人口に制限が設けられて安定した状態であっだ。この制約がとりはらわれて人口が無制限に増加し,したがって地域が拡大しはじめたのは第一次産業革命の影響である。そのため近世の都市の事情と今日の都市とは全く異った問題を抱えていると考えなければならない。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1170

印刷版ISSN:0368-5187

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