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文献詳細

雑誌文献

公衆衛生29巻7号

1965年07月発行

文献概要

特集 伝染病予防 伝染病対策に望む

過渡的伝染病院からの脱皮

著者: 斎藤誠1

所属機関: 1都立荏原病院伝染科

ページ範囲:P.416 - P.417

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 伝染病対策のなかで,むしろ受身の形で協力している伝染病院の医師の立場から,将来の伝染病院の在り方を含み,伝染病対策に対する希望を触れてみたい。
 伝染病の実態の把握一般に伝染病は逐年,軽症化の傾向が強く,その実証的な反映は届出教の減少,致命率の低下の形で表現されている。例を赤痢に求めると,赤痢菌感染を基盤とし致命率の高い疫痢は,現在ではむしろまれな疾患となりつつあり,赤痢症状発呈例でも軽症化と抗生剤の普及は,その予後を著しく好転させている。菌型の上からみても,少なくとも都市にあっては昭和27年頃よりフレキシネル菌の減少,ソンネ菌の異常な増加という現象と同時に,抗生剤の普及は今日の入院患者の約50%がクロラムフェニコール,テトラサイクリン等の抗生剤に耐性という現況になりつつある。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1170

印刷版ISSN:0368-5187

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