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特集 綜合保健活動と保健従事者 談話室
綜合保健活動と保健従事者
著者: 原島進1
所属機関: 1慶応大学
ページ範囲:P.430 - P.431
文献購入ページに移動本誌は今年度の主題として,行政,病院,保健所,大学などの綜合保健の推進のための諸問題をとりあげようとしている。そして,本年度の第29巻の初号のはじめに,「綜合保健活動の推進」のための座談会を設けている1)。綜合保健ないしはその活動については今年から新たにとりあげられたものでないことはいうまでもない。この言葉はすでに数年以前,あるいは,それよりも前から,われわれ関係者の間で用いられるようになったものである。それは,わが国ばかりでなく,世界の各国での保健活動の歴史からみて,個々のそれぞれの領域における保健についての活動が,それに応ずる成果を十分に果たしてきたのであるが,他方において,保健についての社会の要求が高くなうとともに,社会の人口や疾病やさらには死亡の構造がここに大きく変動してきたためであると考えられる。このように進展し,また,複雑化する社会の保健についての要求によく答えるためには,われわれは従来の保健活動についての考え方をさらに発展させなければならない。従来の保健活動が個々の保健従事者の活動を中心として成果をあげてきたのに対して,それらの活動を綜合して,さらに,一段の進歩発展を期待しようとするところに,その目標がある。すなわち,保健活動についての理念の拡大であるといってよい。
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