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特集 綜合保健活動と保健従事者
リハビリテーション技術者
著者: 吉田寿三郎1
所属機関: 1国立公衆衛生院社会保障室
ページ範囲:P.476 - P.478
文献購入ページに移動綜合保健活動の引きあいに,リハビリテーション(以下「リ」と略す)技術者が保健従事者の一員として取扱われるようになったこと自体は,次記のように,まことに正鵠を得た見解である。というのは,予防医学も治療医学も及ばないために生じた心身障害者の生命が,ことに感染症制圧の成功によって,著しく延長された今日,綜合保健活動は「リ」を加えることによって初めて完結できるからである。ただ,残念なことは,日本の現状は一般医療サービスすら体系ある組織的な活動になっていないし,まして「リ」を含んだ綜合保健活動を語るにはほど遠い感じがする。ところが,このような状勢を尻目に最近の10〜20年間に,疾病の牙は量質ともに大きく変化してきた。西欧の例を引くまでもなく,この変化に対応しては当然保健活動には治療医学や「リ」医学を含まなければならないし,また機能上高度の分化が行われ,分担が明確化される必要がある。この高度の分業を前提として,綜合保健活動の完結性というような問題がはじめて切出される立場が開けてくるはずである。この場合「リ」は内容的には,病的なプロセスが固定した身障だけでなく,これが大なり小なり併存し,また進行していることもあって,障害はつねに増悪の可能性を孕んでいる。その上,老弱も加わって生理的なプロセスも減退してくる。
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