文献詳細
文献概要
人とことば
生への畏敬の倫理
著者: アルバート・シュバイツァー
所属機関:
ページ範囲:P.1 - P.1
文献購入ページに移動生への畏敬の倫理は学者がもっぱらその学問に生きることを,たとえその学問によってきわめて世に稗益するものがあっても,許さない。芸術家がもっぱらその芸術に生きることを,たとえ彼がその芸術によって多くの人々に何物かを与えるにせよ,許さない。たくさんの仕事をしている人が自分は自分の職業的活動によってすべての為すべきことを果たしていると考えることを許さない。この倫理は,すべての人々がその生命の一端を人々にささげる事を願う。どのような仕方で,どのような程度に,それが彼に課せられているかは,各人がおのれのなかに生ずる思想と,おのれの人生をめぐっている運命から汲みとらなければならない。ある人の果たす犠牲は,外に対しては見えない。
掲載誌情報