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人とことば
人間とは何か—それを知ることが実際上急務であるわけ
著者: アレキシス・カレル
所属機関:
ページ範囲:P.533 - P.533
文献購入ページに移動人間はすべてのものの尺度であるべきだった。しかるに人間は今自分が作った世界では全くの異国人である,人間が真に自分を知らなかったために,この世界を人間自身のために向くように建築することができなかったのである。あらゆる物質の科学が生物の科学をぐっと追抜いて発達したことは,まことに人間の歴史の最も悲惨な出来事の1つである。人間を知らない人間の頭で作り出したこの世界は,人間の体力にも精神にも適しないものであった。これは全くいけない。こんな世界ではわれわれは非常に不幸せである。道徳的にも精神的にも退化する一方である。工業文明が最も発達した国家や社会が必ず定って先ず衰えていくではないか!そして野蛮状態に戻るのも彼らが真先きである!
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