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文献詳細

雑誌文献

公衆衛生30巻2号

1966年02月発行

文献概要

特集 母子保健 スポット

母子保健法の成立

著者: 萩島武夫1

所属機関: 1厚生省児童家庭局母子衛生課

ページ範囲:P.86 - P.88

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衛生行政本来の目的
 衛生行政の本来の目的は,国民の健康を守り,健康の程度をいっそう増進させることにあるのだが,母子衛生も含めて従来の衛生行政の重点は,健康を害した時点における予防や医療の援助に追われて,健康度を増進させるという方向には積極性を欠いていたのが,実情だといえよう。衛生行政面の進展は,現在あらわれている欠陥の是正,いわば事後処理的解決を図るためのものと同時に,将来の民族的健康度を確保するための,いわば現在問題になっていることの原因を排除するための根治手術的対策を同時に押し進めることによって,初めて将来に及ぶ実効を期待することができるものであって,時代の変遷や経済の推移,国民生活の変化などに伴って,その両面からの行政サービスを,いかに適応させるかが重要な骨子となる。今回制定された母子保健法も,従来の児童福祉法などと併せて,衛生行政の本来の目的を推進するために,その内容や重点を将来の方向にマッチさせようと努力した成果の一つといえよう。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1170

印刷版ISSN:0368-5187

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