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特集 母子保健 論叢
周産期死亡の実態調査成績—福井県鯖江保健所管内における
著者: 中野トシノ1 上島きよ子1 林マサヲ1 上口えみ子1 本多てる子1 泉恵美子1 西尾とえ子1 永田シズ子1 藤下ゆり子1 惣宇利幸子1 永田幸恵1 近藤美幸2 宮下よ志3 嘉島みさを4 清水とみ子5
所属機関: 1福井県鯖江保健所 2福井県今立町役場 3福井県清水町役場 4福井県越前町役場 5福井県織田町役場
ページ範囲:P.108 - P.111
文献購入ページに移動鯖江保健所は福井県の中央に位置し,1市6町2村を管轄するR4型の保健所で,管内人口11,520人,面積56,119平方粁である。
当管内の母子衛生の動向をみると第1図に示す通りで,近年,乳児死亡率,新生児死亡率はいちじるしく低下しているが,その反面,死産率,自然死産率は停滞ないし上昇を示している。すなわち乳児死亡率は昭和28年の68.2に対し,同38年の28.5と半減しているが,これに対し自然死産率は,昭和30年の34.8が同38年は66.4と2倍に上昇している。これを「国民衛生の動向」には「奇妙な現象」として表現されているが,当保健所においても認めることができる。このことは戦後月齢の進んだ乳児死亡の改善にともなって,胎児死亡(後期死産)および生後間もない早期新生児死亡に大きく母子衛生の問題が向けられていると考えられる。そこで当保健所では,この実態を把握し,管内周産期死亡の予防対策を樹立するため,昭和36年より,人口動態票による統計分析と実態調査を行なっているのでこの結果を発表する。
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