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特集 衛生監視制度 研究
学校給食による事故例の疫学的考察
著者: 長崎護1 伊藤多美夫1 畑野逸与1 池満勝巳1 下枝謙1 木村慧明1 小川三之助2 藤井輝彦3 高野正義4
所属機関: 1東京都衛生局公衆衛生部食品衛生課 2東京都下谷保健所 3東京都豊島長崎保健所 4東京都麹町保健所
ページ範囲:P.150 - P.157
文献購入ページに移動学校給食に起因する事故は,学校給食が開始されてから今日まで,規模に大小の差はあれ,各地で発生しており10,公衆衛生上大きな問題を残している。しかも,それら事故の大部分は,病因物質が判明しておらず,予防上大きな障害となっていることも否定できない。東京都においても,昭和25年から30年にかけ,ハム,ソーセージを原因とする事故が続発したが,昭和27年11月,上北沢小学校で患者数621名におよぶ事故が発生した際に,疫学,臨床,微生物学などの諸研究がすすめられ,都衛生局から,その結果が,給食熱(上北沢熱)2)として公にされている。しかし,その後も,ほとんど毎年病因不明の事故が発生している。たまたま,昭和38年5月から6月にかけ,都内,6小・中学校に相ついで事故が発生し,患者2,166名に達した。しかし,これら6例も,病因物質の決定はできなかった。また各校間の因果関係も指摘できなかった。
そこで,これらの事故例を解析し,今後の事故防止の参考としたい。
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