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文献詳細

雑誌文献

公衆衛生30巻3号

1966年03月発行

文献概要

特集 衛生監視制度 研究

富山化学の塩素ガス漏洩事件

著者: 亀谷統三1 三浦大助1 中田慶子1 土肥祐輔1 柳田純孝2 織部道雄3

所属機関: 1富山県厚生部 2富山県警察本部 3富山県厚生病院

ページ範囲:P.162 - P.170

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はじめに
 昭和34年以来続いた池田内閣の経済成長政策は,所得倍増計画とあいまって,わが国の歴史始まって以来の好景気を出現した。しかしその反面,都市においては,入口の過密や公害の発生など,幾つかの弊害もまた副産物として産みだされている。特に公害の問題が住民の日常生活に著しい被害を与えているところも少くない。熊本県の水俣病,三重県の四日市喘息などは,その代表的なものである。これらの公害の問題は,起っては忘れられ,忘れられた頃にまたどこかで発生を繰り返すなど,閑却視されがちなのが現状である。昭和39年9月14日,富山化学工業KK富山事業所において発生した塩素ガス漏洩事件も,公害問題などに関心のうすい,裏日本の中都市の真只中で起った事件であった。この種の事件は,わが国でも始めての経験であるので,ここに事件の概要をまとめて報告し,今後この種の事件の発生を防止するための資料にしたい。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1170

印刷版ISSN:0368-5187

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