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文献詳細

雑誌文献

公衆衛生30巻5号

1966年05月発行

文献概要

特集 地区診断を診断する 論叢 地区診断の効用と限界

民衆はいつも他人の地区診断であってはならない

著者: 石原慎子1

所属機関: 1北海道池田保健所

ページ範囲:P.260 - P.260

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 地区診断の効用は医学重点の対策から,地域の実情に即した多角的な公衆衛生対策の強調と民主化と平行して地区住民の問題意識を深めてゆこうという点にありましょう。最近地区診断が,公衆衛生の感覚の上で一般化されるにしたがって,その限界・矛盾も更に表面化してきたのではないかと思う。私が感じている矛盾や限界を記すと,
 1)地区診断に参加する者の,おのおのの立場や,診断の範囲,方針を討議する段階でその役割がきわめて未分化の状態にあると思う。そのため問題発見の重要度の選相や,○○の問題について何とかしなければ,という意見や,公衆衛生の関心度をみようとするのか,実行可能なものの診断にするのかなどの尺度の分析がなされないままに地区診断を行ないがちのようである。そのため,不必要に,問題が多角化され,より不明確で膨大なものにしているという点がある。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1170

印刷版ISSN:0368-5187

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