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文献詳細

雑誌文献

公衆衛生30巻5号

1966年05月発行

文献概要

特集 地区診断を診断する 事例研究

乳幼児問題を中心にした地区診断事例—その後の地区組織活動への発展と評価

著者: 小野洋子1

所属機関: 1東京都渋谷保健所

ページ範囲:P.270 - P.277

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I.はじめに
 昭和35年東京都渋谷保健所管内笹塚上町会地区において,乳幼児の保健問題を中心にした地区診断がおこなわれた。これは地区担当の五味きよみ保健婦(現本所保健所看護係長)が利学的な根拠にもとづいた保健婦活動をしたいという考え方から独自で簡単な調査をおこなったことから始まり,国立公衆衛生院受講生の臨地訓練の一環として行なわれた地区診断である。したがってこの地区診断は個人的熱意に支配されたものであったことが第1の特徴であり,歴代担当保健婦の努力によって診断結果にもとづいて,地区組織活動へと結びつけていったというのが第2の特徴である。
 笹塚地区上町会は,出産率,死産が高いということから,都市として初の試みである町ぐるみ家族計画運動のモデル地区としてとりあげ,家庭生活研究会(家族計画の民間専門団体)の協力を得て,活発に活動を展開していた。従って地区民は保健所に対して,好感をもっていた。そういう状態のうえに地区診断が行なわれたので,地区民の参加が積極的であり,自分達の問題であるという意識のもりあがりにきわめて効果的であった。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1170

印刷版ISSN:0368-5187

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