公衆衛生30巻8号

1966年08月発行

講座 地区診断—よりよい現場活動の展開のために・3

社会的・文化的特性の分析・1—生活構造の理解

著者： 柏熊岬二¹

所属機関： ¹大正大学文学部社会学教室

ページ範囲：P.452 - P.456

　地区診断の前提条件として地区調査が公衆衛生の方法論として広く理解され実践されていることはよく知られている。前1,2回の講座で健康問題を発見するための技法が，公的，非公的な資料の分析から明らかにされた。今回は，前2回の論旨を受けて，さらに社会学的な観点から展開した。これは地区の全貌を理解し，把握するための社会的，文化的特性の分析から，生活構造，生活様式を明らかにし，その中から地区診断を行なうための効率的な変数をみつけ，特定問題の診断に利用しようとするものである。こうした一連の地区の理解のための諸技法が，各現場の活動家の間で生かされ，よりよい活動の展開のための一助になれば幸いである。