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海外だより
予防と治療の総合化—マニラのセミナーから
著者: 山本二郎1
所属機関: 1厚生省保健所課
ページ範囲:P.457 - P.461
文献購入ページに移動多くの国に,あるいは多くの衛生行政官は,今日,予防的,治療サービスの総合化一体化の問題に直面している。この2つの分野をお互いにまったく分離させることは,不経済であるとともに非能率的でさえある。しかし,発展しつつある国と高度に発展した国とでは,同じ総合化,一体化といってもその意味は若干ちがう。すなわち,前者では資格のある医師の数が少ないので,保健所などで同じ医師によって予防と治療が行なわれることが最も効果的である。後者では,医学技術の進展とともに予防および治療を含めた保健衛生の分野が高度に専門化し分化し,一方,そのサービスをうけるのは同一の人間であるため,健康増進から予防,治療およびリハビリテーションに至るまで,一貫したサービスが行なわれるような総合化の必要があるからである。
この予防と治療の総合化の問題をひかえて,WHO西太平洋地域事務局では,地域内各国の参加を得て,本年2月15日から2週間にわたって,Integration of HealthServiceの課題のもとにセミナーを行なったので,この内容を中心にして,またWHOの種々の専門委員会で討議された事項などをも参考にしながら話を進めることにしたい。
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