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人口問題の展望
著者: 篠崎信男1
所属機関: 1人口問題研究所
ページ範囲:P.58 - P.59
文献購入ページに移動終戦後のベビーブームを経て,急速に人口調整に自主的に入った日本人はわずか10年間で出生率を34.3から17.2と半減させ,思いきったこの動態の変化は世界の人口学者をして奇蹟と叫ばしめるに到った。このようにして,多産多死から少産少死へと向かった日本人口は昭和31年以降かなり安定した低出生率で移行していったが,昭和40年からは若干の波動的変化がみられはじめている。特に,昭和41年は丙午のためかどうか,前年度に比較して1月〜9月までの出生減退は28万を上廻っていることが報告されてもいる。今や日本は形の上では出生も死亡も文明国並みであり,最近は乳児死亡率もようやく低位に下がってきた。しかし取残された問題としては,人工妊娠中絶,人工死産の問題をはじめ,未だ諸外国に比して高い妊産婦死亡率をあげることができる。
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