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文献詳細

雑誌文献

公衆衛生31巻1号

1967年01月発行

文献概要

ニュースの焦点

人口問題の展望

著者: 篠崎信男1

所属機関: 1人口問題研究所

ページ範囲:P.58 - P.59

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 昭和41年9月1日の日本人口は9838万と推定されている。現在の状態からみると,昭和42年から43年にかけて日本人の人口は1億を越すものと思われ,昭和80年前後に最大人口1億2200万に達するであろうと予測されている。しかも,15歳未満の幼少年人口と65歳以上の高年人口がほぼ同数の2000万前後に達する見込みであることも推計されるのである。
 終戦後のベビーブームを経て,急速に人口調整に自主的に入った日本人はわずか10年間で出生率を34.3から17.2と半減させ,思いきったこの動態の変化は世界の人口学者をして奇蹟と叫ばしめるに到った。このようにして,多産多死から少産少死へと向かった日本人口は昭和31年以降かなり安定した低出生率で移行していったが,昭和40年からは若干の波動的変化がみられはじめている。特に,昭和41年は丙午のためかどうか,前年度に比較して1月〜9月までの出生減退は28万を上廻っていることが報告されてもいる。今や日本は形の上では出生も死亡も文明国並みであり,最近は乳児死亡率もようやく低位に下がってきた。しかし取残された問題としては,人工妊娠中絶,人工死産の問題をはじめ,未だ諸外国に比して高い妊産婦死亡率をあげることができる。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1170

印刷版ISSN:0368-5187

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