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文献詳細

雑誌文献

公衆衛生31巻10号

1967年10月発行

文献概要

人とことば

あのころの保健所

著者: 新見正喜12

所属機関: 1厚生省統計協会 2元大森保健所

ページ範囲:P.553 - P.553

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新しい法律の制定のもとに保健所の業務が発足したのは,ごく最近のような感じがするが,はや15年を経過したとは「光陰矢の如し」という言葉をいまさらながら如実に痛感させられる。なるほど第2次世界大戦後わが国の公衆衛生の諸施策は保健所の活動によって極めて順調に伸展した。そのためかわが国の保健所は占領下における進駐軍の指示による産物であるかの如く考えられがちであるところにいささか抵抗を感じさせられている。(中略)
 周知のようにわが国に法律上保健所という名称がうまれたのは昭和12年であり,保健所法もその際制定されている。当時欧州の「ヘルスセンター」に相通ずるものとしてわが国の都市および農山村の一定地域を画して,その圏内の住民に対する公衆衛生上の実行ならびに指導の中枢をなすものであった。すでに昭和16年には全国に550カ所の保健所の設置が予定され,136カ所が事業を開始していた。その後保健国策の緊要事項として保健指導網の確立要綱が閣議で決定せられ,公衆衛生上類似の事業を行なう公共施設を保健所に統合して保健所の再配置が行なわれ,その指導網の確立が期せられたのである。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1170

印刷版ISSN:0368-5187

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